感謝日記を書く以前は、一日を何も振り返らないまま寝ていたのですが、それだとよほどいいことがないかぎり「今日はこんなことがあったなぁ」という心の充足感が得られず、毎日、代わり映えのしないつまらない日々を繰り返しているような気分になってきたりすることさえありました。
しかし、感謝日記を始めてみたことで、「たった一日の中で、自分はなんて大勢の人からたくさん助けてもらっているんだろう」と気づくことができました。
しかも、感謝すべきことを一つ思い出すと、「そういえばあの時も……」と、芋づる式にどんどん出てくるから不思議なものです。
全部を書きとめていたら、いつのまにか結構な時間が経ってしまっていたなんてことも。
そして、「今日はこんなにたくさんのありがとうに包まれていたのか」と実感すると、心がポカポカして暖かい綿に包まれたような、幸せな気持ちで眠りにつくことができます。
■「自分へのご褒美」より「感謝する」ほうが幸福度アップ!
実は、感謝することで気分が上がり、精神衛生にとって非常にプラスになることが、オランダ・トウェンテ大学の心理学者Bohlmeijerの実験により、科学的に実証されています。
実験では、まず、軽度のメンタルヘルス上の問題をもつ人たちを、ランダムに三つのグループに分けました。
一つ目のグループには、感謝のトレーニングとして、その日に起きたうれしかったことを三つ日記に書かせました。加えて、人に感謝の言葉を伝えたり、手紙を書いたりするように意識させ、さらに「この人がいなかったら自分はどうなるか」「この人のおかげでどれほど自分が恵まれているか」ということも想像してもらいました。朝は起きたら5分間、感謝する気持ちを保つように促しました。
二つ目のグループには、1週間に1度、自分へのご褒美を五つ用意してもらいました。例を挙げると、おいしいパフェがあるカフェに行く、好きな趣味に打ち込む、大好物の食べ物を食べる、などなど。
三つ目のグループには、「自分が幸せになるためには何をすればいいか」を考えてもらい、それ以外は特に何もしないで過ごしてもらいました 。
杉山奈津子
〈受験シーズン〉東大卒ママ受験シーズンに伝えたい 合格する人・不合格の人の決定的な差は「復習」にあり