加藤:どうですかね(笑)。でも、もはや作家活動がやめられなくなっているというか。
林:加藤さんほど書いている人、テレビに出てる人で誰もいませんものね。テレビに出ている人で「作家でコメンテーター」と言いながら何も書いてない人、いっぱいいるんだから。
加藤:アハハ(笑)。
林:書き続けるってすごいことだと思うし、しかも、どんどんレベルアップしているから、努力のたまものだなと思っていますよ。こういう華やかな仕事をしながら、これだけのレベルのものをちゃんと書き続けるって、すごいなと思う。
加藤:又吉さんより先に書いててよかったなと思いますね。
林:今、もう次回作を書いてるんですか。
加藤:今はプロットをつくっている感じですね。『オルタネート』を出版して反響を見て、2カ月ぐらい待ってから次作に取りかかろうと思ってたんですけど、『オルタネート』がわりと話題になったのでバタバタになって、それが落ち着いてきたので、そろそろ次作に取りかかろうかなと思っています。
林:加藤さん、こっちの業界に入ってくださるみたいで、うれしいですよ。
加藤:前のこの対談(12年3月30日号掲載)で、林さんに「加藤さんは第二の島田雅彦になりなさい」と言われたこともあって、僕は作家として体たらくなビジュアルにはなれないという緊張感がすごくあるんですよ(笑)。
林:大丈夫です。島田さんも年とってきたし、そのあとが出てこないから(笑)。女性の作家は、川上未映子さんとか綿矢りささんとか、アイドル系のきれいな人がいっぱい出てきていますけど、男性作家が不作で(笑)。
加藤:そんなビジュアルの話を、作家として言っていいのかどうかわからないですけど(笑)。
林:いや、それは大切ですよ。「ダ・ヴィンチ」の表紙になってサマになる作家ってそんなにいないし、加藤さん、さっき「若い人に本の楽しさを教える人になりたい」と言ってらしたでしょ。いま私たちの業界の救世主は芦田愛菜ちゃんと加藤さんですよ。