昨年8月に「RAKURI(ラクリ)」を発売した明石スクールユニフォームカンパニーの江藤貴博さんも「ランドセルという慣習の壁」を感じている。

「店頭でお客様から『ほかに買った人はいますか?』と聞かれることがあります。高学年でランドセルから買い替える方に比べ、新入学の親御さんはどうしても『大勢のなかで浮いてしまうこと』を不安に思われるようです。全国的に小学生はランドセルという“文化”があるため、そこで弊社のようなリュックタイプの鞄を普及させる難しさを感じる部分はあります」

「人と違う」ことを過剰に恐れるこの国で、ランドセル以外の選択肢が今後どこまで広がるのか。社会の成熟度が関係しそうだ。(ライター・大塚玲子)

AERA 2021年6月28日号より抜粋