葵上さんが感じるように、周りの期待にだけ応えて生きていると、やがて自分が分からなくなって、つらくなるからです。
人によって、その時期はさまざまです。多くの場合、それは十代の後半から二十代ですが、もっと後の人もたくさんいます。
葵上さんの場合は、42歳だったということです。
えっ? 遅すぎる? いえいえ。「人生に遅すぎるということはない」という有名な言葉があるじゃないですか。
えっ? 42歳だと間に合わないかもしれない?
僕の『ほがらか人生相談』を読んでくれてるのなら、「自分が10年前から戻ったと思う」という考え方をご存知でしょう?
本当は52歳なのに、奇跡が起こったか、タイムマシンか魔法か、とにかく、10年若返って42歳になったという考え方です。
そう思うと、42歳でも、いろんなことができるという気になりませんか?
人生80年と考えると、まだ半分、残っているんですからね。まだまだ時間はあるのです。
それでね、葵上さん。
今から、葵上さんは時間をかけて「自分が本当は何がやりたいのか」を考えればいいのです。
そのためには、「判断できる情報」を吸収する必要があります。
たくさんの情報を知ることで、自分が本当にやりたいことが見えてくるのです。だって、対象をちゃんと知らないと、やりたいことが分からないでしょう。それは、料理でもオシャレでもピアノでも野球でも同じでしょう?
葵上さんの周りに、葵上さんが尊敬できる人はいますか。いれば、その人に「あなたは、自分がどんなふうに生きたらいいか、分からなくなったことはありますか?」と聞いて下さい。
葵上さんが真剣なら、そして、その人が尊敬に値する人なら、ちゃんと答えてくれるでしょう。
そういう人がいなければ、本から吸収します。
本屋さんに行けば、「自分の生き方に悩んだ人」の本がたくさんあります。それを片っ端から読むのです。
「悩んだ結果、こういう選択をした。それは自分の人生にこんな結果を与えてくれた」という著者の本です。