「私が社会人になると、両親は『人の役に立ちなさい』『社会の中で求められる存在になりなさい』と言うようになりました。そして『神の子だから、戻ってくるのを待っている』とも。1世は宗教によって救われたかもしれませんが、2世は宗教によって苦しめられているケースもある。親と同じ宗教を信仰していても、感じ方が全く違うからです。それがカルト2世の生きづらさにつながっているような気がします」
今、里香さんはもう祈願はしていないが、両親には信仰を続けていると思わせているという。
「これからも特に何も言うつもりはありません。ただ、もう自分の人生を狂わされたくないだけです。両親とは距離をとって生きていきます」(取材・文=笠井千晶/AERA dot.編集部・作田裕史)