1つ目は、自分が50歳という節目の年齢を迎えていたこと。老後の不安に加え、母親の病気がわかったこともあり、人生はいつどうなるのかわからないものだと考えるようになりました。
2つ目は、夫の単身赴任が決まっていたこと。以前も単身赴任生活でしたが、コロナ禍で戻ってきていました。再び単身赴任が始まるというところで、荷物の整理が必要でした。
3つ目は、母親の介護が始まったこと。夕方までに子どもたちのごはんの準備をして、近くに住む両親の家に向かってごはんの準備から就寝まで付き添い、朝になってから家に戻るという生活が始まりました。子どもたちの協力を得ないと、生活が回りません。
最後は、子どもの反抗期が激しくなる前ということ。中学生の長男は、母親の言うことはすべて口答えをするようになりました。コミュニケーションが難しくなりつつも、まだ家のことを手伝ってくれます。
「片づける前だったら、例えば子どもたちに『ごはんを温めて自分たちで食べてね』と言ってもできなかったと思います。どこに何があるのかわかっていなかったと思うし、今まで全部私がやってきていたので」
モノを手放せない彼女は、隙間があればモノを押し込んでいました。モノが収納場所に入っているので、自分では「片づけられる」と思っていたそう。
「プロジェクトの中で、家の現状を写真に撮ることがありました。そのときに客観的に家の中を見直すことができて、こんなに散らかっているんだとビックリしました!」
まずはモノを手放して、把握できる量にまで減らします。自分では何が、どこに、どれだけあるのかをわかっているつもりでしたが、冷凍庫から冷却まくらが5個も出てくることも。
片づけを進めていると、反抗期真っ盛りの長男が「みんなで使うところをきれいにするのは協力する」と手伝ってくれました。母親が言うことには口答えをするものの、祖父の誕生日には部屋の飾りつけまでしてくれます。