結婚問題が長引き、宮内庁への批判が強まり、皇室敬愛が失われつつあるなかで、「眞子さまは、皇室を離れるほうがお幸せでは」と口にする宮内庁関係者は、もはや珍しくなくなった。結婚をあと押ししそうな気配すらある。
秋篠宮家と交流がある人物は、一貫してこう言い続けている。
「とにかく、皇位継承二位にある悠仁さまの将来に影響を残さないことが重要です。小室さんは結婚のお相手として到底ふさわしいとは思いません。しかし、破談が無理ならば、お二人とも皇室とは距離をおいて暮らしていただくほかないでしょう」
小室さんと眞子さまは、日本にとどまる限り、監視と批判にさらされる生活となるだろう。
「日本を離れる以外の選択肢は、ないに等しいのではないでしょうか」(元宮内庁職員)
海外事情に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんは、こう話す。
「小室さんのハングリーな性格は、海外ではむしろ歓迎されることもあります。また現在、東京・丸の内の博物館『インターメディアテク』に研究員として勤務されている眞子さまも、元プリンセスとしてある程度は、歓迎されるでしょう。ただし、現地のメディアは日本ほど遠慮がありません。ときには、厳しい洗礼を受けることもあるでしょう」
たとえば、島津貴子さんも現地メディアから容赦ない質問を浴びせられたことがある。1961年、日本航空が北極経由の東京ーロンドン間の新航路を開設した第1便の乗客として島津夫妻は訪英している。日本航空は、ロンドンのクラリッジスホテルに、記者を集めて記者会見を主催した。
クラリッジスホテルといえば、英国王室をはじめ世界各国の王室やセレブリティ御用達の最高峰のホテルだ。すると現地の記者からは厳しい質問が向けられた。
<記者側から、「あなたはプリンセスなのか、平民なのか」という質問に、貴子さんはしどろもどろ。「私は平民です」と説明しても、英国人にとっては日本航空が特別扱いでわざわざ記者会見を計画したのはどういうわけか、という疑問があったのだろう。
日航側からあらかじめ配られた説明資料の内容もまずかった。月給15ポンドの銀行員というくだりが好奇心を誘った。英国では15ポンドといえば労働者の週給である。「いまはすこしふえました」と答えたものの「それで買い物ができますか」「洋服はレディメイド(*編集部注:既製品)ですか」などの質問が出て、貴子さんには全くお気の毒な一幕だった>(朝日新聞1961年6月8日付)
特権的な待遇を享受するのであれば、それに相応しい立場であるかが問われる。手厳しい海外メディアの追及が、眞子さまと小室さんの問題に向けられてもおかしくはない。
皇室を長年、取材してきたジャーナリストは、こう指摘する。
「日本人は、皇室に対して深い敬意を持っています。しかし、時にはそれが拡大解釈され過ぎるときもある。たとえば、眞子さまの婚約内定者の小室さんに対する、過剰ともいえる警備をつけたり、宮内庁が小室さんの出勤時に車を用意したことがありました。こうした費用を捻出する根拠を明確に示さないまま、『皇室の関係だから』という曖昧な理由で、特別扱いがまかり通ってしまう」
仮に眞子さまと小室さんが結婚したとしても、「元皇族とその家族だから特別な便宜を図る」といったことが当たり前のように続けば、皇室に対する国民の信頼は失われてしまうだろう。
宮内庁の要職を経験した人物は以前、
「宮内庁が小室さんの就職先を世話することは、絶対にない」
と言い切ったが、秋篠宮家や宮内庁が世話をするのでは、といった見方も消えない。
仮に海外で暮らすことになった場合に現地メディアがストーレートに疑問をぶつけても不思議ではない。
7月末の試験を終えた小室さんは、内親王の結婚相手として人びとが納得する行動を示すのだろうか。(AERAdot.編集部 永井貴子)