■大事なこと、言いたいことを、「先に」「多めに」書く

今道:答案に書くことには、「とても大事」な話もあれば、「そこそこ大事」レベルの話もありますよね。例えば「あなたは採用後(あるいは入学後)、どんなことに取り組みたいか」という出題があったとしましょう。「とてもやりたいこと」「そこそこやりたいこと」の両方を答案に書くとして、どちらから先に書きますか?

もとゆき:それは、「とてもやりたいこと」から先に書くでしょうね。

今道:そうです。大事なこと、言いたいことから先に書く方が自然ですよね。順番だけでなく、書く分量としても「とてもやりたいこと」に、多めに字数を割く方が自然ですよね。このように、答案を書くときは、大事なこと、言いたいことを、「先に」「多めに」書く方が効果的です。

 下書きではゼミの幹事として取り組んだこととして、下線のように、2つが挙げられていますが、書く順番を再考します。ゼミの目的からすると「発表がスムーズに進むようにした」の方が大事ですから、そちらを先に書きましょう。

ここまでできたら、 [5]の「文章としてまとめる」作業を行います。完成形は次のような文章になります。

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【解答例】
私は大学のゼミで、自ら手を挙げて幹事を務めました。ゼミの発表が円滑に進むように、発表が近づいている人には準備が順調に進んでいるか、声かけを欠かさないようにしました。また、急に欠席者が出る場合は、ゼミのメンバーに連絡をして順番の調整にあたりました。さらに、メンバーの気心が知れることも大事だと考えて、食事会を開くことを私が提案し、授業の時間以外でも親睦を深めました。この結果、教授からは「例年になく活発なゼミになった」と評価してもらえました。
この経験は入社してからの仕事に活かすことができます。例えば、仕事に対して自分から積極的に手を挙げて担当させてもらう、業務の動きを見ながら自分がやるべきことは何かを考え行動する、などです。このような主体性を持って仕事に取り組んでいきます。
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