それを聞いた上島が僕に「井手さんより先にお尻出していいかな」って相談してきたんです。僕は「師弟関係に割って入るのはやめたほうがいい」って言ったんだけど、「いや、やってみる」って。イチかバチかの賭けです。もしかしたら干されるかもしれない。
でも、それを見たたけしさんが大笑いして「ああいうばかがいるんじゃねえか、いいじゃんダチョウ倶楽部」って。それから上島の中で何かが弾けて、リアクターとしての立ち位置ができてきて、今の芸風になった。
上島は人間の業を包み隠さない、いとおしい存在でした。スケベだしケチだし怠け者だし。小細工なしにすべてさらけ出すから、すごいなと思ってた。本人は隠してたつもりなんでしょうけどね(笑)。
唐突な別れ方にダメ出しはしますけど、僕らがここまでこられたのは上島のおかげ。感謝です。
今、純烈さんと一緒に仕事させてもらうなど、悲しみを何とか「くるりんぱ」している最中。(寺門)ジモンと二人でダチョウ倶楽部を成立させようと奮闘しています。上島と作り上げた伝統芸能「熱湯風呂」「あつあつおでん」も続けていきます。上島、今もそこで見てくれているかなあ。
※週刊朝日 2022年12月16日号