■人生変えた連呼 最高視聴率13%

田原:その後、「自民党をぶっ壊す」と言った小泉純一郎さんが首相になった。

辻元:因縁の人ですよね。小泉さんは内閣支持率も高く、ものすごい人気だった。国会では与野党がヨイショするような質問ばかり。だけど、「痛みを伴う改革」を掲げて所信表明で「米百俵演説」をした時、これは怪しいと思ったわけですよ。

田原:改革の痛みは結局、国民へと向かう。

辻元:「自民党をぶっ壊す」と言うのはインチキじゃないかと思って、予算委員会の質問に立ったんです。それで、自分の人生が変わっちゃった。あの「総理! 総理! 総理!……」の連呼でね。「誰に改革の痛みのしわ寄せがいくのか」って聞いても、小泉さんはちゃんと答えない。さらには、集団的自衛権の行使について議論を始める、みたいなことを言った。私は「あなたの口で集団的自衛権の行使とは何か説明してください」ってやったわけです。中谷元・防衛庁長官が答えようとしたから、私は「総理!……」と叫んだ。自民党幹事長だった山崎拓さんから後日、「首相はすごく変わった人だから、あなたに責め立てられて答えられなかったことが悔しいと。もう集団的自衛権の行使の議論をやめるそうだ」って聞かされた。ちなみに国会中継としては、その時の視聴率13.1%がいまだに記録だそうです。

田原:その後が安倍晋三さんだった。

辻元:安倍さんは初当選が私の1期前。自社さ政権が大嫌いだったでしょ。

田原:大嫌いというより(連立を組む社民党を)敵だと思ってた。

辻元:国家観の違う2人として、私と安倍さんの対比インタビューが新聞に載ったこともあった。小泉内閣で自衛隊を海外に出す議論があった時、官房副長官だった安倍さんが「(人助けの)ナイチンゲールみたいなもの」とたとえた。私は、テレビ番組で「ナイチンゲールは味方も敵も助ける。自衛隊が派遣されれば、米国と一体だと思われ“完全中立”じゃない」と批判。すると官邸から電話が入り、安倍さんから「そういう発言はやめていただきたい」って言われた。そんなこと言われても、私なんか黙るわけがない。

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