それでも過去の記事を持ち出しながら、「1918年のインタビューで、ベーブ・ルースは『投手として定期的に投げ、その他の試合で野手として出場し続けるのは難しいだろう』と、述べている」と続けるケニー氏に対し、このゲストは「大谷は自分からやりたいといい、両方やっている。ベーブ・ルースとは全く違うよ」と突っぱね、議論は終わった。

 番組は後に公式SNSアカウントで「大谷の才能を活用するにはどうすれば良いか」と題した投票を実施した。選択肢として、「先発と打者」、「リリーフと打者」、「打者のみ」と、「投手のみ」の4つが用意されたが、結果は以下の通りであった。合計2554票のうち、「先発と打者」が57.7%で断トツ。続いて「リリーフと打者」(27.6%)、「打者のみ」(13.7%)と続き、最後の「投手のみ」はわずか1%しか支持を集めることができかった。この投票結果が示すように、今のアメリカは大谷が続ける先発投手と打者の二刀流、そしてその二刀流としての活躍を大いに楽しんでいるのだ。

 確かに、ケニー氏が主張するように、大谷はいずれ、自身の決断によりリリーフ転向や投打どちらかの1本に絞ることになるのかもしれないが、今のタイミングで二刀流に「待った」をかけるとアメリカでは激しい批判を浴びることが証明されたと言えるだろう。ファン、球界OB、メディアといったアメリカ全てを味方につけた大谷は、二刀流として、数日後に控えるオールスターゲームやその後に続く後半戦でどのような成績を残すか、その活躍に全米中の大きな期待がかかっている。(澤良憲/YOSHINORI SAWA)

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