そのほか、北朝鮮では道路の建設・補修もゴミ処理も農作業の増援も、すべて国民に奉仕作業を強いている。そんな状態の北朝鮮市民が、「火星砲17」をバックに、手をつないで歩く金正恩父子の姿を見せられたら、どう感じるだろうか。
金正恩氏は最近、軍最高司令官の名前で、弾道ミサイルの発射を12月半ばまで続けるよう命じたという。7回目の核実験になかなか踏み切れないなか、軍や技術者に配慮したのかもしれないが、市民の苦労は更に続くことになる。
金正恩氏はもちろん、金ジュエが北朝鮮市民の敬愛を受ける様子など、とても想像ができない。(朝日新聞記者、広島大学客員教授・牧野愛博)
※AERA 2022年12月12日号より抜粋