「重視したのは、絶対的に気軽であること。面倒だからと病院に行くことを諦めてほしくないんです。実名登録の医師が診療科を案内してくれるので、病院を探すときも楽になります」
■専門家に頼れて安心
ネットを見ればいくらでも答えが出てくる時代。だが本当に正しい答えにたどり着くのは難しい。サービスを運営するメドピアの担当者はこう説明する。
「ネットでは本当に医師なのかわからないとか、検索結果がたくさん出てきて時間がもったいないという方もいます。最初から専門的な知識のある人の声を聞いてもらうことが一番です」
ファーストコールで相談を受ける医師は実名だが、漫画家は講談社が提供するアカウントを使うため、特定されない。プライバシーが守られるため、相談のハードルも低くなる。
出版社が漫画家の健康管理に踏み出したことを歓迎する声も多い。
このサービスの導入が話題になるや、日本漫画家協会会長で『あしたのジョー』などで知られるちばてつやさんや、『はじめの一歩』作者の森川ジョージさんら、第一線で活躍する人たちからも反響があったという。
「森川先生が『原稿より健康』と話していましたが、長年連載をされている方ほど、健康であることの重要さを身に染みて感じています。健康であってこそ連載ができることを、そばにいる我々が忘れてはいけないと思っています」(鈴木さん)
(編集部・福井しほ)
※AERA 2021年7月19日号