2012年の農水省の資料によると、ブリの増肉係数は約2.8、マダイで2.7程度となっています。ブリやマダイに比べても、「スギ」の効率の良さがわかりますね。
例えが少々不適切かもしれませんが、「いくら食べても全然太らないんだよね~」という方はマグロタイプで、「ちょっと食べてもすぐに太ってしまうねん…」という方は、スギタイプということになるかもしれませんね。ちなみに筆者は典型的なスギタイプです…。
魚以外では、鶏の増肉係数は2~2.5、豚で3~3.5、牛の場合は10以上となっているようです。単純に考えると、増肉係数と肉の値段は比例しているようにみえますね。
養殖におけるコストの大半はエサ代と言われています。エサとなるイワシなどの値段が高騰してきている中、少ないエサで効率よく成長させることができ、味も良い「スギ」は、漁業関係者の方々にとっては、救世主のような存在といえるかもしれません。しかも成長速度も速く、病気にも強いなど、養殖にはもってこいの魚種なんだとか。
くら寿司でも、沖縄県で養殖されたスギを、7月16日から25日まで「琉球スギ」として全国のお店で販売しています。絶妙の食感と上品な脂乗りの一品をぜひ体験してみてください。
○岡本浩之(おかもと・ひろゆき)
1962年岡山県倉敷市生まれ。大阪大学文学部卒業後、電機メーカー、食品メーカーの広報部長などを経て、2018年12月から「くら寿司株式会社」広報担当、2021年1月から取締役 広報宣伝IR本部 本部長
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