木村:いま有力な国会議員で、世襲ではない人のほうが珍しくなっていますよね。
金丸:北朝鮮がいま3代世襲であることに対し、「そんな政治体制があるか」「一党独裁だ」と批判している国会議員がいますが、何だ、おまえも世襲じゃないか、と(笑)。
私が訪朝するときは地元の人やメディア関係者など、50~60人ほど連れていきます。私は北朝鮮がすばらしい国だから一緒に行きましょうと言ったことは一度もありません。けれども、行こうともせず、見もせず、ただ批判するのだけはやめなさいと言っています。百聞は一見にしかずです。みんなちょっと怖いとか、無事に帰ってこられるだろうかと心配する人までいます。でも、ほとんどの人は北朝鮮に抱いていたイメージが大きく変わったとの感想を語ってくれます。
(構成/本誌・亀井洋志)
金丸信吾(かねまる・しんご)/1945年、山梨県生まれ。青山学院大学卒。境川カントリー倶楽部代表。父・金丸信氏の秘書を務め、90年の自民党代表団初訪朝に同行。以来、今日まで訪朝を重ね、北朝鮮要人と交流がある
孫崎享(まごさき・うける)/1943年、旧満州生まれ。元外交官。東京大学法学部中退後、外務省入省。駐ウズベキスタン大使、国際情報局長、防衛大学校人文社会学群教授などを歴任。『朝鮮戦争の正体』など著書多数
木村三浩(きむら・みつひろ)/1956年、東京都生まれ。民族派団体「一水会」代表。慶応義塾大学法学部卒。月刊「レコンキスタ」発行人。著書に『対米自立』など
※週刊朝日 2021年8月6日号より抜粋