柔道男子100キロ級を制したウルフ・アロン(gettyimages)
柔道男子100キロ級を制したウルフ・アロン(gettyimages)
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 東京五輪は7月29日、日本武道館で柔道男子100キロ級があり、2017年世界選手権優勝のウルフ・アロン(24)が金メダルを獲得した。日本勢の同階級制覇は00年シドニー五輪の井上康生・日本男子監督(43)以来、21年ぶり。

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 ウルフは決勝で18年世界選手権優勝で韓国の趙グハム(28)と対戦し、延長の末に大内刈りで一本勝ち。同日にあった女子78キロ級の濱田尚里(30)とそろって世界の頂点に立った。

 井上監督は、世界選手権、全日本選手権に続き五輪を制して「三冠柔道家」の仲間入りをしたウルフについて「(自分と)直接対決したらどうなっていたかわからないなと思うような素晴らしい選手」とたたえた。

 ウルフと井上監督の試合後の報道陣とのやり取りの全文は以下のとおり。

――だいぶ実感がわいてきましたか。

 目標にしていた大会だったので、僕自身の持ち味のしぶとい柔道をして勝つことができてよかったです。

――決勝は苦手なタイプの選手だったが、どういう対策をしたのでしょうか。

 ほんとに苦手なタイプの選手なので。僕自身の柔道って結構押していく柔道だったんですけど、そういう柔道をすると逆に担がれてしまうところがあったので、前半も、ゴールデンスコアに入ってからもずっと我慢我慢で、組手で相手を下から持つとすぐ背中にくるので持たせないという試合運びをしながら。また、片手でもいいから技をかけるということを意識しながら、少しずつでも相手のスタミナを削って試合をしようと考えていました。

――後半、利き手で上腕を持つようになりましたけど、それは十分いけるようになったからそうした?

 相手のスタミナが少しずつ減ってきて、僕自身が相手の釣り手を殺す対応をしていく中で相手の袖がつかめるようになってきたので、そこをつかめば大内刈りがいけるなと思っていたので、そこは最後、大内刈りで決めようと考えていたところがうまくできたと思います。

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痛み止めを打って出場