スポーツに出かける際の車の運転も紫外線対策をしておきましょう。窓ガラス越しはつい油断してしまいますが、UVAは通過します。日焼け止めを塗らず、ガラス越しの日光を浴び続けると皮膚の老化を促進させます。

 また、スポーツの合間の休憩時に日陰で休むときにはUVAに注意してください。日傘に関してもUVAカットができるものとできないものがあります。UVBだけが皮膚に悪い紫外線ではなく、UVAもしっかりブロックすることがしみやしわを予防するためのポイントです。UVAは窓ガラスや衣服、薄いカーテンを通り抜けて皮膚にダメージを与えることを知っておきましょう。

 続いて汗の対策です。

 汗をかくと皮膚がかゆくなることがありませんか? また、アトピーの人は汗で湿疹が悪化することが多いと思います。汗をかいたあとは洗い流すことが必要です。

 皮膚にはマラセチアというカビが常在菌として存在していますが、アトピーの人は汗をかくとカビの成分に反応することがあります。一般の人でも、肌にトラブルが多い人や乾燥肌の人はマラセチアに対するアレルギーを持っている可能性があります。汗を放置しないことが大切です。

 海で遊ぶ場合は、汗に加えて海水が肌にまとわりつきます。汗も海水もこまめに洗い流すのが理想です。

 汗をかいた後にシャワーを浴びることができればいいのですが、屋外ではなかなか難しいでしょう。その場合、ハンカチやタオルを水道水で濡らし、肌に押し付けるように汗を吸い取るようにしましょう。乾いたタオルで汗をゴシゴシ拭き取るのは肌にとってよくありません。首やわきの下など、汗をかきやすい部分をタオルでこすり続けると、アクロコルドンとよばれる小さなイボの原因になります。タオルによる摩擦を避けるようにしましょう。

 市販の汗拭きシートを使うこともあるでしょうが、肌の弱い人は無香料を選ぶことをすすめます。香料にはかぶれやすい成分が入っていることが多いためです。こちらも肌をゴシゴシしないように。

 今回は夏のスポーツに関連して、紫外線と汗の対策について紹介しました。まだまだ暑い日は続きそうです。こまめに水分補給を行い、熱中症にも注意をはらいつつスポーツを楽しんでほしいと思います。

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大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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