イラスト/カトリーヌあやこ

 贖罪の気持ちと、真実を突き止めたい本能と。そんな彼らの前に立ちはだかるのは報道局のエースで官邸キャップ、さらに浅川の路チュー相手である斎藤(鈴木亮平)だ。

 もうね、とんでもねぇのよ、この男。すっかり別れてたくせに、浅川が冤罪疑惑を追ってると知るやいなや、アポ無し訪問。さりげなく事件の特集の放送を止めようとする。

 酔った彼女がゲロした後もかまわずチュー。すぐ来てすぐ抱くすぐ帰る! そして再度来訪すれば、即気づくのだ。

 断捨離して何も無い部屋に住んでいた彼女が、斎藤に抱かれたら新たにベッドを買ったことを。

 抗おうとする彼女に彼は言う。「なんでベッド買ったの?」おいやめろ、この最終兵器鈴木亮平。

 そら、まさみ=浅川もベッド買いますわ。全人類、ベッド買いますわ。なんだったら全人類、鈴木亮平に路チューされろ。

 このドラマには様々な開けてはいけない箱が出てくる。冤罪、報道、権力、良心……。このドラマ自体が「パンドラの箱」とも言える。ただ、開けたら何かとヤバそうなのは鈴木亮平だわ。

カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

週刊朝日  2022年12月9日号

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