松山英樹 (c)朝日新聞社
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 東京五輪の男子ゴルフ競技が、7月29日(木)から8月1日(日)までの4日間の日程で開催された。

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 7月に入って新型コロナウイルスの陽性反応が出て、主戦場のPGAツアーを欠場するなど体調面で不安があった松山英樹だったが、大会の会場となった霞ヶ関CCは過去に日本ジュニアやアジア・アマチュアを制した時のコース。その好相性を見せつけるかのように、2日目に「64」を叩き出して上位争いに加わった。

 3日目までに16個のバーディを奪ったが、その中でも冴えていたのがアプローチとパッティングだ。元々、今季のPGAツアーでもアプローチの貢献度で全体15位に入るなど、ショートゲームの名手である松山だが、今大会でもピンに絡むショットを連発する。

 一方、ツアーでは課題だったパッティングも3日目までは好調。PGAツアーでは今季全体180位に沈んでいたパッティングのスコアに対する貢献度を示すストローク・ゲインド・パッティングは合計で3.103を記録した。ちなみに、アプローチの同数値は4.630となっており、いかにアプローチとパッティングでスコアを作ったかが現れている。

 そして、松山は最終日を前にトップと1打差の単独2位に。首位に立ったのは、アメリカのザンダー・シャウフェレ。4月に松山が初めてメジャーチャンピオンとなったマスターズでも両者は最終日に優勝争いをしており、“再戦”となった。

 金メダルをかけた最終日の戦いは、松山にとって我慢の展開に。特に3日目まで好調だったパッティングが決まらない。多くの選手がスコアを伸ばす中で、前半は1アンダーで折り返すと、後半出だしの11番から連続バーディを奪って上昇気流に乗るかと思われたが、13番と15番でパーパットを決めきれずにボギー。最終18番では、決めれば銅メダルとなる約4メートルのバーディチャンスを迎えたが、これも沈めることが出来なかった。

 結局、最終日のストローク・ゲインド・パッティングは-3.519と3日目までとは一転。ティーショットのフェアウェイキープ率は4日間を通じて一番だっただけに、グリーン上の結果が金メダルを逃す結果となってしまった。

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松山はプレーオフで…