1912年、日本がオリンピックに初めて参加したストックホルム大会。日本代表2人はいずれも国立大学(官立)の学生である。彼らは東京高等師範学校(戦後は東京教育大、筑波大に継承)、東京帝国大(同・東京大)に通っていた。
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しかし、その後の日本代表には早稲田大、慶應義塾大、中央大、明治大、日本大、日本体育大などにおされて国立大学出身者はなかなか選ばれなかった。それでも東北大、東京大、一橋大、東京学芸大、福島大、埼玉大などから代表を送り出している。
東京2020の代表には国立大出身者はどのぐらいいるだろうか。JOC日本選手団名簿から集計してみた。次のとおりである(判明分)。
〇筑波大 24人
〇鹿屋体育大 3人
〇東京学芸大 2人
〇岩手大、一橋大、横浜国立大、名古屋大、京都大、大阪教育大 各1人
圧倒的トップの筑波大は体育専門学群の存在が大きい。前身は東京教育大体育学部であり、ここからが多くのオリンピック代表が誕生した。なかでもレジェンドとして、いまなお、とんでもない記録を樹立したとして語り継がれているのが、体操の小野喬さんである。1952年、56年、60年、64年と4大会連続で出場し、金5、銀4、銅4の計13個のメダルを獲得した。この記録はいまでも破られていない。
なお、筑波大出身のオリンピック代表選手のメダリストは金24、銀17、銅22となっている(東京教育大を含む、集計は大学ウェブサイト)。
筑波大は1973年に開学した。同大学になってからは、女子柔道の谷本歩実さんが、2004年、08年の2大会連続金メダリストとなっている。
東京2020大会では、ハンドボールで唯一の学生、吉田守一選手が選ばれた。和歌山県立那賀高校出身。ポーランド1部リーグ、タルヌフに所属してプレーしている。
ラグビーの彦坂圭克選手は、大学ラグビー選手権で筑波大が国立大学として初めて決勝まで進んだ試合に出場している。このときのメンバーには、筑波大で2学年下の福岡堅樹さん(現在は順天堂大医学部学生)がいる。福岡さんは16年のリオ五輪、19年ワールドカップで活躍したのが記憶に新しい。