進学した大阪教育大はハンドボール強豪校で、全日本学生ハンドボール選手権大会の2回優勝している。同大学のウェブサイトに板野選手からのメッセージが掲載されている。

「一生に二度とない自国開催でのオリンピックの内定選手に選ばれ、大変嬉しく思います。大阪教育大学に進学していなかったら今の私はないと思いますので、当時顧問だった土井秀和先生をはじめ、在学中にお世話になった皆さんに感謝申し上げます。オリンピックでは、私に関わって下さった全ての方々に恩返しの気持ちを持って、自分の持てる力を全て出し尽くして戦います。また、ハンドボールという競技をもっと発展させるために、メダル獲得を最大の目標に頑張りたいと思います」(2021年6月29日)

 昨年11月、板野選手は右肩を負傷し半年間リハビリ生活を余儀なくされたが、見事に復帰した。

「プレーで勇気や感動を与え、ハンドボールの面白さを伝えたい」(朝日新聞2021年6月29日)

 東京学芸大は2000年から東京2020までの5大会で9人の代表を送り込んだ(累計)。陸上の卜部蘭選手は教育学部芸術スポーツ文化課程生涯スポーツ専攻、前出ラグビーの小出選手と16年にラグビーで出場した谷口令子さんは教育学部中等教育教員養成課程保健体育専攻を卒業している。大阪教育大の板野選手は教育学部スポーツ科学教養学科スポーツ専攻(現・教育協働学科スポーツ科学専攻)の出身だ。

 国立大学で東京学芸大、大阪教育大出身者からオリンピック代表が生まれるのは、教員養成系大学または教員養成系学部に、体育教員養成課程、スポーツ科学専攻などが設置されていることも大きい。これらの大学にはスポーツ実技があり、ポテンシャルの高いアスリートが入学する。

 また、国立大学のなかには優れた指導者によってオリンピック代表を育てるところがある。その1つが福島大だ。

 東京2020大会に福島大出身者はいないが、08年、12年、16年に3大会続けて同大学から代表が生まれた。累計で7人を数え、いずれも陸上である。08年は学生1人、卒業生4人の5人がオリンピックのトラックを走っていた。このなかで「イケクミ」こと池田久美子さんが知られている。また、久保倉里美さんは3大会で代表となった。

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全国の高校生に知られた川本監督