一方、気になる打点王の可能性については、「大谷選手の前の打者が求められる役割を果たせるかどうかだ」とデサイ記者は分析する。打点王に関しては大谷一人の力で達成できるものではない。チームメートの協力がなによりも不可欠であるところ、同記者は大谷の打点王獲得のカギとなる選手として、デビッド・フレッチャーの名前を挙げた。

「一時期ジャスティン・アプトンを1番に置いてたこともありましたが、あれはうまく機能している様にはみえませんでした。ところが、フレッチャーが1番を打つ様になった途端、状態が良くなってきました」

 フレッチャーは大谷と同じ2018年にメジャーデビューを果たした内野手で、さらに同い年ということもあり、その仲の良さは有名だ。そんなフレッチャーも、今季は大谷に引っ張られる様に絶好調である。例えば、今季は球団単独2位となる26試合連続安打を記録したり、リーグ2位の122安打(2日現在)を放っている。左右問わず安打が打てるフレッチャーが前にいることで、大谷は打点をさらに伸ばせるだろうと予想する。つまり、今のエンゼルスの打順であれば、大谷が打点王を獲得する可能性は十分にあるということのようだ。

 もし、投手として登録されている大谷がメジャーで打撃タイトル二冠を獲得すれば、米球界では史上最大級の快挙となる。また、これらの両タイトルを獲得すればア・リーグMVPレースでも優位に立てるだろう。

 だが、デサイ記者は、「大谷は今季それ以上の快挙を成し遂げるだろう」ともいう。それは、ハンク・アーロン賞とシルバースラッガー賞の獲得だ。

 ハンク・アーロン賞とはその年に最も活躍した打者に送られる賞である。優秀な投手に送られるサイ・ヤング賞の野手版であり、メジャーでは最強位打者の証ともいわれている。過去に日本人選手が獲得したことがない賞ではあるが、デサイ記者はこの賞の獲得も予想する。その根拠として、大谷の37本塁打(リーグ1位)、82打点(リーグ2位タイ)、長打率.674(リーグ1位)であるという記録を並べ、「誰でもできるものではない」と力説する。

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