杉下右京(水谷豊さん)と亀山薫(寺脇康文さん)が初めてコンビを組んだ「相棒 警視庁ふたりだけの特命係」のスタートから22年。やがてドラマは「相棒」という国民的な人気の連続ドラマとなった。寺脇さんがドラマを離れて14年がすぎたこの秋、スタートした「相棒season21」では、薫が移住していたサルウィン(架空の国)から帰国。右京と薫の、ファン待望のコンビが復活した。その二人がドラマ「相棒」を語るスペシャル対談です。
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──第1回で、実家が営む酒蔵の酒を手に挨拶にきた薫を、右京が冷たくあしらうシーンが印象的でした。当時のお二人の心境は?
寺脇:そうなんです。新潟ですから、うち(亀山)の実家は(笑)。
水谷:右京がなぜ警察で働いているかというと、事件を起こした犯人を見つけ出したいという正義感の一点のみ。それ以外の価値観って、そもそも持っていない人なんですね。だから亀山くんがお酒を持ってきてくれたから、よくしてあげようとか、そういうことが一切ない。え? そのシーンで、僕、目薬さしてました? そうでしたそうでした(笑)。「亀山くんも、過去の特命係のメンバーのように、長続きしないんだろうな」と思っている……そんな心境を想像しながら、目薬をさしていたと思いますね(笑)。
──22年も続く国民的ドラマになるという手応えは当時ありましたか?
水谷:2時間の警察もの、最初、そう聞いて台本を読んだんですが、これがすごくおもしろかった。ただ、いままであまり経験したことのないタイプのドラマでしょう。僕としてはどれだけ見る人に伝わるかは、未知数なところもありました。
寺脇:僕なんかは、こんなに長く続くとは夢にも思っていな……いえいえ、もちろんできるだけ長くやりたい気持ちはありましたよ。こんなに演じていて楽しいドラマもないですし。とにかく一作一作、全力でやろうということしかなかったですね。