そこから考えが変わって、同じ境遇の子を作ってあげたいじゃなく、大きくなっていく中で1人より2人の方が互いに助け合えるところもある。純粋に、その思いで2人目を迎えることを考えるようになっていったんです。

 いろいろと、あらゆるところで手探りです。分からないこと、思いもよらないところで迷うこと。そんなことがたくさんあります。そして、自分が上の子を迎えようと思って特別養子縁組のことを調べた時には、とにかく情報が少なかった。

 そんな思いがあるからこそ、そして、今は子育てでお仕事はほぼ何もやっていない状況ではありますけど、少しでも発信できることがあれば、少しでも役立てるんじゃないか。そんな思いを持って、こういう場でお話をさせてもらったり、SNSなどでの発信は続けるようにしているんです。

 でも、今の世の中は本当に難しいなと思います。上の子を迎え入れた3年前と今ではまた世の中の空気が違うことも感じますし、今の方がいろいろな声が寄せられるなと感じます。

 公の場に子どもを出す出さないという部分でも「子どもを見せ物にしている」なんて声も来たりします。発信する以上は、注目されることは覚悟の上なんですけど、それでも覚悟が揺らぐぐらい「ん~~」となることもあります。

 良い意味で注目してくださる方がほとんどなんですけど、その目が100%ではない。少ないかもしれないけど、反対というか、強硬に異を唱える人たちの言葉はすごく強かったりもする。そのことによって、子どもを傷つける可能性もある。考えさせられますね……。

 本当にナニな話ですけど、ウチはたまたま男の子、女の子というきょうだい。それについて言ってくる人もいます。「血がつながってないんでしょ。そんな男女が同じ家で暮らすってどうなの?」。そんなことが寄せられたりもしています。一つ一つに向き合っていたら心がおかしくなるくらい来ることもあります。

 でも、やっぱり、発信はしていきたいんです。自分に大きな力はないと思いますけど、発信しないよりは知ってもらえる可能性がある。日本は血のつながりを大事にしている国なので、言っても、ウチみたいな家族は特別に思われるんです。事実として。

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子どもには「真実告知」をする時期がくる