不妊治療をしている時は「とにかく一人授かれば」という思いだったので、きょうだいのことは考えてませんでした。
そして、特別養子縁組で上の子を迎えてから、養子縁組の団体さんから「きょうだいは考えてるの?」と言われたんです。そこで初めて「え、2人目も考えてもいいんですか」という感覚になったんです。
まだ養子縁組の子を育てるということを始めたばかりだったので、分からないこともたくさんあるし、「まだ考えられません」という話をしていたんです。だけど、上の子を迎えて1年くらいたった時に、私の年齢のこともあったんで、考えるなら早く考えないといけないなと思い、2人目という意識を持ち始めました。
あと、私の思いとしては、同じ境遇のきょうだいがいた方が後々心強いんじゃないかと思う部分もあったんです。私たちは血のつながっていない家族なので、同じ立場のきょうだいがいた方が逃げ道じゃないですけど、心が楽になる部分があるのかなと。
ただ、たまたまご縁があってお話をすることになった女性がいて、その方が養子縁組の子どもの立場の人だったんです。その方には妹さんがいて、今のウチと一緒で4人家族で全員血がつながっていない。その中で育ってきた方だったんです。
なので「実際、どうでしたか」とストレートにお尋ねしたんです。そこで返ってきた答えが私にとっては目からうろこのお話しでした。
「血がつながっていないなんて、全く考えたこともないんです。普通に姉妹として育ってきて、血のつながりについて話したこともない。無理に話さないのではなく、なんというか、普通に姉妹でいるので、何も気にしないというか。大人になってから遺伝系の病気の検査を念のためにしておこうとなった時に初めて、そう言えば、血がつながってなかったという話をしてくらいで、私は完全に普通の姉妹として暮らしてきました」
私は親として少しでも子どもたちの負担が減るならば。その思いで、きょうだいということを考えたんです。でも、お話を聞いて、それはこっちの勝手な思いなのかとも思いました。