■無敵モードで出歩く

「ワクチンを打ったら夫が飲みに行く頻度が増えそうで怖い」

 というのは育休中の40代女性。

「夫は『ワクチン打ったら俺は無敵モードになる』と言って、出歩く気満々。『ワクチン打てない1歳児がいるんだから、慎重になって』と口うるさく言っていますが、どうなることか」

 夫の会社はコロナ以降在宅勤務だったため、今は家事育児を分担してくれているが、無敵モードになられたらまた「パパは家にいない」状態になり、家事育児はママ任せになるのでは、と戦々恐々だという。

 ツイッター上ではこんな声も見られた。

<ワクチン接種したらリモートワーク辞めて出社する日々に戻るっていうんだったら、もう数年はワクチン支給されなくていいや>
<ワクチン普及してリモートワークから出社に戻る前に、在宅勤務オンリーの会社に就職して在宅勤務を一生継続したい>

 一方で、打ち終わったところで「何も変わらない」と、まだ先行きが見えない状況にうんざりする声も。7月上旬に2回目の接種が完了した30代男性は、

「0歳の娘とまだワクチンを打っていない妻にうつす可能性が減ったのは安心ですが、それ以外の生活は何も変わりません。マスクも外せないし、外に飲みにも行けませんから」

 もちろん、「接種券がまだこない」「予約ができない」と焦る人たちからすれば、贅沢なボヤキでもある。なかにはワクチンなしで「仕事優先」の生活を送らざるを得ない人も。

「サイトに繋がらなくて予約は取れなかったけど、そもそも繁忙期で一日たりとも仕事に穴を開けられない。副反応で仕事を休む可能性も考えたら、しばらくは打てないのが現実です」(30代、自営業の男性)

(編集部・高橋有紀)

AERA 2021年8月16日号-8月23日合併号