アダイヤーと同じチャーリー・アップルビー厩舎のハリケーンレーンは愛ダービー後に7月の仏G1パリ大賞も連勝。次走は9月11日のG1英セントレジャーの予定だが、その後に凱旋門賞へ向かうかどうかは未定だ。もし出てくればパリロンシャン競馬場の2400メートル戦を勝った実績があるだけに、適性をいかして人気以上の激走を見せるかもしれない。ブックメーカーのオッズもタルナワに続く8倍前後の4番人気と一発を警戒しているかのようだ。

 最後に日本から遠征する2頭にも触れておこう。6月の宝塚記念で史上3頭目のグランプリ3連覇を達成したクロノジェネシスは15倍から17倍の前売りオッズと、評価急落のラブよりも人気を集めている。本番ではオイシン・マーフィー騎手が騎乗予定だ。

 天皇賞(春)2着のディープボンドは各ブックメーカーによってばらつきがあるが、26倍から51倍のオッズ。フォワ賞から凱旋門賞へ向かう予定で、本番では昨年の凱旋門賞をソットサスで制したクリスチャン・デムーロ騎手が手綱を取るが、人気薄の伏兵評価の域は出ていない。

 果たしてスノーフォールがディープインパクト産駒として初めて凱旋門賞を制するのか、それともアダイヤーが1995年のラムタラ以来となる英ダービー・キングジョージ・凱旋門賞の欧州三大レース制覇を達成するのか、タルナワやミシュリフ、ラブらが古馬の意地を見せるのか、はたまたクロノジェネシスとディープボンドが日本競馬界の悲願を成就するのか。注目の凱旋門賞は10月3日、パリロンシャン競馬場にて行われる。(文・杉山貴宏)

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