いま、限られた病院しかコロナ患者を受け入れていません。他の病院の病床をセットしたり、大規模仮設病院など医療資源を確保したりするためには、国会で制度化し、必要な予算を付けなければなりません。コロナ対策費は30兆円の使い残しがあり、この中にはGo Toキャンペーン用の多額のお金も含まれています。生活基盤がぎりぎりまで追い詰められた人々を支えるために、これらを早期に使っていく必要がある。

中島:そうですね。特措法などさまざまな法整備が必要ですから、野党側は「自分たちにも提案があるから、与野党で一致団結して難局を乗り切りましょう」と呼びかけるべきです。コロナ対策は国民の命や生活に関わる問題だから、与野党ともに政局にしてはならない。

保坂:中島さんの指摘は重要で、2カ月後の10月には衆院選が始まるかもしれない。ならば、1カ月でもいいからコロナ危機に対して、与野党で合意して打てる手は全部打っておかなければなりません。9月から本当に学校を再開していいのか。経済対策費はどうするのか。そこで、私は都内の6区市長の共同で「『政治休戦』して与野党は力を合わせよ」と提言しました。

中島:選挙対策をしている人たちの指標で「2・5・3の法則」というものがあります。日本人の2割は選挙で必ず野党に投票する人で、5割はいわゆる無党派層で大半は選挙に行かない。3割が与党に入れる人です。安倍内閣は選挙が近くなればなるほど争点をぼかし、5割の人たちに選挙に行かないように仕向け、低投票率に持ち込んで3対2で勝つという戦術をくり返してきた。小選挙区なので、それでも議席に大きな差がついてしまう。

 野党が勝つためには、まず野党共闘で2割を固めること。それだけでは勝てないから5割の人々を動かすことが最も重要になる。そのためには、自分たちに政治を任せてくれたらいい社会ができるという明確なビジョンを示し、オルタナティブ(選択肢)となる「もう一隻の船」を見せることです。さらに与党の3割を削ることですが、保坂さんは2、3選目の区長選では自民党支持者からも票を得ているのがおもしろい。その源泉は、具体的な政策を実行してきたからこそなのです。

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