「明かりははっきりと見え始めている」
【写真】編集部が入手した、衆議院の職域接種を受けた関係者の予防接種済証。問題のロットナンバーが記載されている
25日夜に記者会見を開いた菅義偉首相はこう胸を張った。菅首相によると、8月は1日100万回以上のペースで新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでおり、24日までに国民の54%が1回目を、さらに約43%が2回目を接種し終えているという。成果を誇らしげに語った菅首相だが、ワクチンを巡る新たな問題が明らかになった。
厚生労働省は26日、米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンについて、異物の混入が見つかったことを公表した。約160万回分の接種を見合わせるという。
接種を見合わせたワクチンは、製造ナンバー「3004667」と、「3004734」、「3004956」の3つだ。
武田薬品工業の発表によると、出荷本数はそれぞれ約5万7千本(約57万回接種分)、約5万2千本(約52万回接種分)、約5万4千本 (約54万回接種分)。一部は既に接種されている。
この影響は衆議院にも及んでいる。衆議院の職域接種で使われたモデルナワクチンが、今回使用を見合わせるとしたワクチンだったことがAERAdot.編集部の調べでわかったのだ。編集部の取材に対し、衆議院は「武田薬品から連絡があった」と認めた。
編集部が入手した、衆議院で職域接種を受けた議員秘書の「予防接種済証」には、「衆議院職域接種会場」というスタンプが押され、20日に1回目の接種を受け、「Lot.3004667」と記載されたシールが貼られている。
接種を受けたという議員秘書はこう語る。
「筋肉痛の痛みはあったが、多少の副反応はあると聞いていたので、そんなものかと思っていました。痛みは数日で消えましたね。それが今朝ニュースでモデルナのワクチンに異物というのが公表されて、ロット番号を調べたらビンゴ。驚きました。まさか衆院の職域接種で、問題あるワクチンに当たるなんて。私はその後、何もありません。国会議員も職域接種の対象です。安全なワクチン供給に努めてほしいですね」