これを受け衆院事務局は、議員と秘書宛に、「今月16日より昨25日まで、国から配付された当該ロットのワクチンを使用してまいりましたが、今後は当該ロットのワクチンの使用を見合わせ、対象以外のロットのワクチンを使用いたします」という文書を出した。

 国民からは「健康被害は大丈夫なのか」と不安の声があがっている。武田薬品工業は、「これまでに対象ロットにおいて本件に関連して発生したとみられる安全性上の懸念に関する報告は受けておりません」と発表している。厚生労働省医薬安全対策課は、仮に異物が入ったワクチンを投与されても、無菌性を保っているので菌による感染はない、血管ではなく筋肉への注射なので血管が詰まるようなことはないのではないかと見る。担当者はこう語る。

「異物があったワクチンを打ち、健康被害があったという報告は今のところありません。現時点ではリスクは低いのではないかと見ています。もし何か不安があったら、医療機関に行って相談してほしい」

 少しでも早く正常なワクチン接種が進むことが期待されている。(AERA dot.編集部・今西憲之、吉崎洋夫)

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