■気負いも背伸びもない
かつてのように、商品はつくって売って終わりではなくなった。スマホはもちろん、aiboもクルマも、購入後のアップデートによって機能や価値が向上し、ユーザーとの関係を深めていけるような商品へとシフトしているのだ。その最前線で、清田は働いている。ただし、清田には、子どもを育てながらキャリアアップを目指すという気負いや背伸び、無理をしている感じがない。
「ラッキーなことに、やりたいことがずっとできているので、これからも『人間中心』を一本の軸にしていきたいと思っています。でも、製品の種類にはこだわらず、いろんなものに携わるほうが私は好き。その意味で今の部署は色んなことをやっているので、楽しめていますね」
と、微笑んだ。(文中敬称略)(ジャーナリスト・片山修)
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※AERA 2022年11月28日号より抜粋