彼の場合は「ステップアップ」というより、その才能がスコットランドという枠に「収まらなくなる」という方が正しい。現在、それだけ圧倒的な存在感を放っている。セルティック加入後9試合7ゴールという結果は偶然でもなんでもなく、ひとえに本人のクオリティから来るものだ。
すでにセルティックサポーターやOB、現地解説者からは「本物の宝石」「次元が違う」といった絶賛が相次いでいる。それだけでなく、日本人にはおなじみのアンジェ・ポステコグルー監督も、先日のレンジャーズとの“オールドファーム”で敗れた際に「キョウゴを中央で起用するべきだった」と振り返るほど。そしてクラブは昨季得点王のオドソンヌ・エドゥアールを放出。26歳日本人アタッカーを攻撃の主軸にする気満々だ。
現役時代に中村俊輔ともプレーしたOBパトリック・マッコートは、先日「その価値は2年以内に2500万~3000万ポンド(約38億~46億円)になるだろう」と明言した。金額のほどは定かではないが、このペースでゴールを重ねれば他リーグのチームが放っておかないことは間違いない。また得点を奪う場面以外にも、相手を誘うランニングから献身的で効果的なプレッシングも現地では高評価されている。90分通して消えることなく活躍が期待できる男だが、来夏にスコットランドのすぐ近く、イングランド・プレミアリーグへとステップアップしてもおかしくはないだろう。今最も乗りに乗っているアタッカーの活躍に目が離せない。
(文・三上凌平)