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(週刊朝日2021年9月10日号より)
(週刊朝日2021年9月10日号より)

 シニア世代の夫婦やカップルのなかには、性のすれ違いに悩む人も多いのでは? 男女問わず、性欲が衰えたり、まだまだセックスを楽しみたかったり。でも心配はご無用。お互いが満足できる方法はいろいろあるようだ。

【調査結果】セックスに対する男女の違いは?

腟レーザーで腟がふっくら!? シニアのセックスライフ対処術】より続く

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 女性はセックスに対して積極的ではない傾向がある。これをどう捉えればいいか。性の問題に詳しい日本性科学会理事で婦人科医の大川玲子さんが説明する。

「要するに、“人は本能だけでセックスをしない。脳でする”ということです。閉経後の性交痛への対応は医学的に可能ですが、それだけでは十分ではない。セックスを必要だと考える女性は“これまでにいいセックスを重ねてきた方”、あるいは“経験したことのある方”だと思います」

 気が乗らないセックスを夫の求めに応じて受けてきた女性は、特にシニア世代では少なくない。取材でも「いったふりをした」「早く終わらないかと思った」という声が聞こえてきた。

 もう一つ、女性がセックスを求めなくなった理由で大きいのは、多くの女性が“セックスに代わる(それ以上かも?)快楽”で満足しているという点が挙げられる。

「友人と温泉に行ったり、若い俳優さんを追っかけたり、買いものをしたり、着飾ったり。そういう快楽で脳は満たされているので、あえてセックスを求めないのです」

 大川さん自身は、セックスはこうした快楽とは違う、ずっと深い楽しみだと考えている。どうしたら男女のセックス格差をなくして、シニアの夫婦やカップルがセックスをお互いにとって充実したものにできるのか。

「まずは男性がこだわる“挿入・射精ありきのセックス”からの脱却。ここから始めます」

 と大川さん。

「男性は“勃ってなんぼのもの”という考え方が根強くあります。しかし、シニアのセックスでは子どもを作るわけではないので、正直、挿入はしなくてもいい。それよりも抱きしめてほしい、愛撫(あいぶ)してほしいと願う女性は多いです」

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