左からウクライナのゼレンスキー大統領(提供:Ukrainian Presidential Press Office/AP/アフロ)、ロシアのプーチン大統領(代表撮影/AP/アフロ)
左からウクライナのゼレンスキー大統領(提供:Ukrainian Presidential Press Office/AP/アフロ)、ロシアのプーチン大統領(代表撮影/AP/アフロ)
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 2人が死亡したポーランドへのミサイル着弾は、ウクライナの迎撃ミサイルによる事故との見方が強まっているが、「不法な戦争」を続けるロシアへの風当たりは強まるばかり。泥沼化する戦いを止めることはできるのか。

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 南部のヘルソン戦線ではウクライナ軍がドニプロ川西岸の州都ヘルソン市などを奪還した。ロシア軍は撤退を余儀なくされ、戦地は東部ドンバス地方へ移ることになる。

 これから本格的な冬を迎える。ナポレオンやヒトラーを一敗地に塗(まみ)れさせた「冬将軍」の到来は、どちらに味方するのか。いずれにせよ戦況は泥沼化し、無辜(むこ)の市民の犠牲が増えていくのはまちがいない。いま望まれるのは一刻も早い停戦だ。

 ロシアは領土を接するウクライナのNATO入りに危機感を強めていた。だが、この戦争をロシアがウクライナへの侵攻を開始した今年2月24日を起点とすれば、プーチン大統領は侵略者というほかない。「東部ドンバス地方(ドネツク州、ルハンスク州)の親ロシア派住民の保護」を特別軍事作戦の目的としたが、ロシア軍は北国境を越え、首都キーウを急襲した。

 ウクライナ史・ロシア史の専門家で、東京大学法学部の松里公孝教授がこう指摘する。

「プーチン氏が当初狙ったのは、レジームチェンジ戦争です。ゼレンスキー政権を屈服させるか転覆して、クリミアとドンバスの現状を認める傀儡(かいらい)政権にすることでした。しかし、ウクライナの抵抗に遭って失敗すると、ドンバスの防衛に集中すると言いながら、実際には領土拡大戦争を始めた。飛び地のクリミアを陸上でつなぐ回廊を確保するために、ザポリージャ州、ヘルソン州まで併合しました。現代の国際法は、場合によっては分離を認めますが、領土併合は認めません」

 ロシアが10月に併合したドンバス2州は、2014年に急進派が「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」樹立を宣言し、ウクライナとの内戦を経て実効支配地域を確保した。もちろん国連からは国家承認を受けられていない。ロシアは08年、武力紛争の末にセルビアから独立したコソボの例を挙げ、分離紛争への介入を正当化してきた。松里氏が続ける。

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