アニメ第2期「遊郭編」の放送開始が正式に発表されたが、これに先がけて放送される「竈門炭治郎立志編 特別編集版」も注目を集めている。第1期アニメ「立志編」はどのエピソードも人気が高いが、炭治郎・善逸・伊之助ら「かまぼこ隊」の成長が著しかった那田蜘蛛山編の第19話「ヒノカミ」は「神回」とまでいわれた。キャラクターの人気投票でも上位にくる少年鬼「累」にまつわる物語にもファンが多い。ここでは、累が求めた「家族の姿」について、改めて考えてみたい。【※ネタバレ注意】以下の内容には、既刊のコミックスのネタバレが含まれます。
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■那田蜘蛛山での司令
主人公の竈門炭治郎(かまど・たんじろう)と鬼殺隊同期の嘴平伊之助(はしびら・いのすけ)、我妻善逸(あがつま・ぜんいつ)は、司令によって那田蜘蛛山(なたぐもやま)の鬼討伐任務にあたることになった。鬼の禰豆子(ねずこ)も兄・炭治郎が守ってくれている箱の中に背負われて、この山に向かう。
那田蜘蛛山には、炭治郎たちが到着する前に、何人もの隊士が向かっていたが、被害状況は予想以上に大きかった。敵は鬼の総領・鬼舞辻無惨の直属の配下であり、実力者「十二鬼月(じゅうにきづき)」の一員だったのだ。
■少年鬼の累とニセモノの“家族”
『鬼滅の刃』という作品において、鬼は集団行動を取ることを好まないとされている。無惨の司令に応じて、あるいはなんらかの制約や利害関係が生じる場合にのみ、共に活動することがある。鬼同士の仲が良い事例は極めてめずらしい。しかし、この那田蜘蛛山では、「下弦の伍」の少年鬼・累(るい)を筆頭に、“累の家族”という設定で複数の鬼が一緒になって残虐行為をはたらいていた。
“累の家族”として登場する鬼は、父役、母役、姉役、兄役がいる。それぞれ「クモ」に関連する姿や、「クモの糸」をほうふつとさせる血鬼術(けっきじゅつ ※鬼が使用する能力)を使う特徴がある。母と姉は累に似せた姿に変えさせられており、血縁関係があるかのごとく外見的特徴をそろえている。一方で、父と兄は本物の「クモ」と良く似ており、疑似家族の累を守ろうとする“強さ”が強調されている。
<僕たちは家族5人で幸せに暮らすんだ 僕たちの絆は 誰にも切れない>(累/4巻・第29話「那田蜘蛛山」)