このデジタル化への危機感が、今回の自民党総裁選における自身の行動にも大きく関係している。

「昨年9月の総裁選の政策論議を聞いていて、『なにか違うな』と思ったんです。リーダーシップ層の世代交代をしないと、世界のDXのスピードについていけないと。石破さんもデジタル化では慎重論が先に立つ印象。私の問題意識からは、河野さんが一番、ふさわしいと感じるのです」(同)

 河野氏はツイッターのフォロワー数が226万人を超えている。昔からネットには明るいとされ、ツイッターでもいち早く情報発信をしている。国民が知りたい情報を素早くツイッターで公開することで、若者からの人気を集めている側面もある。過去には、恋愛相談などに応じることもあり、ネット戦術にたけた政治家の1人であることは間違いない。

「ツイッターのフォロワーがそれだけいるのは、河野さんがネット社会に向いているということ。それに河野さんはトライ&エラーができる政治家です。何かに挑戦して失敗しても、『ごめんなさい』と謝ることができる。その姿勢は、開発中の仕様が間違っていても改良しながら進める『アジャイル開発』ができる思考なんです。次の首相には、そういう感覚が必要だと思っています。石破さんの過去の総裁選では、私が中心となってSNSのチームを作っていましたが、河野さんからは『そういうのは平さんやってね』と頼まれています。(河野氏の出馬表明が)今週か来週になるかはわかりませんが、準備をしておいてくれということだと思います」(同)

 平氏と河野氏の付き合いは2003年にさかのぼる。平氏が東京青年会議所の理事長だったときに、河野氏を講演会に呼んだことが最初の出会いだったという。石破氏が平氏と河野氏を「古い付き合いだから」と認めるのは、その人間関係の積み重ねがあるからだ。

「そこからの付き合いで、衆院議員になってからも行政改革や規制改革などを一緒にやってきました。河野さんが出馬した2009年の総裁選では私は推薦人名簿にも入っています」

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まだ出馬を迷っている石破氏