メディアで自民党総裁選がこれだけ報じられるのは、自民党にとっても時期がいいのと、需要と供給のバランスが取れているからでは。総裁選に立候補している人たちは、自民党員票が欲しいからメディアで自分の顔と名前を売りたいんですよね。自民党員なんて国民全体からしたらほんのちょっとしかいないわけですけど、全国各地津々浦々に散らばっている自民党員に自分の顔と名前を売るのは、やっぱりメディアに多く出るのは手っ取り早い。こぞって、立候補者みなさんがメディアに出ていますよね。
インターネットメディアにも出てくれて、今週土曜深夜の「カンニング竹山の土曜TheNight」に岸田さんが出演してくれて2時間話しました。ABEMAprimeには河野さんが出てくれました。政治番組を始め、夜のニュース番組、昼のワイドショーなどにリモートやスタジオで出ているけど、明らかに全国に名前を売りたい、自分の主張を伝えたいというのはありますよね。インターネットメディアに出てくるのは、しっかり自分の主張を話せるというのと、インターネットを見ている人が多く影響力があるメディアと認められてきている。
メディアで取り上げても普段はあまり読まれない、視聴率が取れない政治ネタが、今回の総裁選は読まれる、数字が取れるのであれば、もっと取り上げようとなるわけじゃないですか。そういう意味で、今回の総裁選は需要と供給のバランスが取れている。ただ、自民党総裁選一色にメディアがなってしまうのは、あまりいいこととは思っていません。
が。
TBSの「news23」で河野さんが「派閥っていうのは、政治記者が面白おかしく取材していくうちに作られている。実際は、派閥で何票とか現場が動くことはない。派閥って報道したほうが面白いから政治記者はすぐにそうしたがる」と話していたことが面白かった。確かに、そういうところはすごくあると思った。田中角栄時代の派閥は、陸山会だ、宏池会だと確固たる派閥があっただろうが、我々世代がドラマで見るような政治派閥と今はちょっと変わってきているのではないかと思った。だから今回、当選三回生が派閥に関係なく選びましょうと集まったのも、昔ならあんなことしたらものすごい怒られたんじゃないかと思うんですよ。その辺で言うと、政治家は国民から離れているとは言われていても、離れないようにしようとしている人もいるんだなと思った。