今年結成45周年を迎えたゴダイゴ。その先進的な音楽性は日本の音楽業界に多大な影響を与えた。ボーカルのタケカワユキヒデさん(68)が、名曲「銀河鉄道999」の誕生秘話とともに、伝説のバンドの新たな挑戦を語った。
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高揚感のある緻密なサウンド、旅に生きる少年の心を投影した歌詞、そしてあの独特の甘い歌声……。木村拓哉さんが出演するマクドナルド50周年記念CMで流れる音楽を聴いて懐かしい気持ちになった人は多いだろう。ゴダイゴの代表作の一つである「銀河鉄道999」がリリースされたのは1979年。若者の間では「インベーダーゲーム」が爆発的に流行。また携帯型ステレオプレーヤー「ウォークマン」や国産パソコンの原点と言われる「PC-8000シリーズ」が発売されるなど、かつてないデジタル時代に向けて社会は大きく変わろうとしていた。
「一生懸命新しいことをやろうとしていたのは間違いないです。ビートルズがそうしたように、それまでの日本にないサウンドや雰囲気を持った曲を作りたかった。そんな思いが、結果的に時代を超えてリスナーに受け入れられることにつながったのかもしれません」とボーカリストで主に作曲を担当したタケカワユキヒデさんは振り返る。
「銀河鉄道999」は同名のアニメ映画の主題歌として制作された。当時としてはアニメ主題歌をポップス、ロックのバンドが担当するのはまだまだ異例のことだった。「はじめプロデューサーからもらったのは英語の歌詞と、でっかい車輪が動いてゆく感じの絵が一枚だけ。
『汽車が空へと駆け上がっていくイメージなんだ』と聞かされ、下から上に高まってゆくあのメロディーを思いつきました。出だしのメロディーとコード進行が決まった瞬間、『これで勝った!』と思いましたね」(タケカワさん。以下同)
Aメロ、Bメロの情緒あふれる日本語詞がサビで一転して英語詞になるという斬新さ、洗練されたアレンジ。楽曲は映画のストーリーを引き立て、キャラクターの持ち味を輝かせた。映画はアニメ作品としては異例の年間邦画配給収入1位を記録。レコードのセールスも60万枚を超え、ゴダイゴは名実ともに日本のトップミュージシャンとなった。