(写真提供・アメニティ)

 あれから40年以上を経て、かつて若者の代表だったゴダイゴのメンバーたちも60代後半に。昨年5月、ギタリストの浅野孝已さん(享年68)が亡くなった。

「普段は用事がないと連絡を取り合わない僕たちですが、ふいにミッキー吉野から『浅野さんが退院したんだよ。元気なさそうだからタケも電話してやれよ』と電話があったんです。僕は入院していたことも知らなかったので、とにかく連絡を取ってみたんですが、まさかそこまで深刻な状態だとは気付きませんでした。訃報が入ったのはそれから2週間後。ただただ、びっくりしました」

 コロナ禍で葬儀に参列できず、メンバー同士で偲ぶ機会も持てなかった。タケカワさんは浅野さんが亡くなったことを、今でも実感できないという。長年連れ添った盟友を失い、音楽活動も大きく制限される現在。しかしタケカワさんは打ちひしがれてはいない。状況を逆手にとっての配信ライブや、過去のデモ音源の配信リリースという新しい取り組みを始めている。「配信ライブはやむを得ず始めたような感じですが、続けてみると意外なおもしろさがわかってきました。この仕組みは今後の音楽業界にとってきっと大きなチャンスになるでしょう。僕にとってはお客さんからのコメント機能が新鮮です。僕が忘れてしまっているようなことでも質問したら逆に教えてくれるんですよ(笑)」

 デモ音源も英語詞バージョンや、原曲と歌詞は同じだがメロディーを変えたもの、他の歌手に提供したものなど、さまざまな“お宝要素”があって楽しい。

 ゴダイゴとしても7月21日、オリジナル音源を最新技術で再構成した「銀河鉄道999~シン・ミックス~」を配信リリース。秋にはアルバム「西遊記」の“シン・ミックス”の配信も控えている。

 時代や情勢の変化をポジティブに受け止め、新たなモチベーションに変換するのがタケカワ流、ゴダイゴ流だ。

 過去作品の発掘、再発売を経て今、タケカワさんは新曲制作の意欲が高まっているという。

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