
自民党総裁選は17日の告示で、政策論争がいよいよ本格化する。今後の動向に関心は高まるが、昨年9月の菅義偉首相就任とともに話題となった「スガちゃんまんじゅう」のゆくえも気になるところだ。退陣表明であのまんじゅうはどうなっているのか、商品を企画した社長に話を聞いた。
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「突然の発表で、かなり驚きました」
「誕生! スガちゃんまんじゅう」を企画した、お菓子の製造販売を行う「大藤」の社長、大久保智文さんは、率直にそう語った。
大藤はこれまでも安倍晋三前首相の「晋ちゃんまんじゅう」など、時の政治家をモチーフにしたお菓子を製造、販売してきた。くだんの「スガちゃんまんじゅう」も、昨年9月の首相「誕生」を祝って発売されたものだ。
大久保社長は、こう続ける。
「実は、8月に現行パッケージの資材が切れてしまったんです。当時は菅さんが総裁選に出馬するだろうという流れだったので、再選すれば、満を持して新しいパッケージにリニューアルして発売する準備をしていました」
包み紙には菅首相の地元秋田をイメージして「なまはげ」を描くなど、キャッチーなデザインで人気を博した。ほかにも、菅首相が学生時代、空手部に所属していた経緯から、空手の道着をまとったイラストをパッケージにした「スガちゃん瓦割りせんべい」などの関連商品も発売した。
「昨年12月までの『スガちゃんまんじゅう』の売上は、秋田限定版などの商品をあわせると全国で約3万7千個。一時は生産が追い付かず、急遽別の工場で増産することになりました」(大久保社長)
■まんじゅう生産に“緊急事態”
しかし、その後は度重なる緊急事態宣言で売り上げの減少にも悩まされた。
「国会売店など、販売店舗での売上が中心ということもあって、緊急事態宣言の影響で売り上げ個数も大幅に減ってしまいました。特に今年の1月からは厳しく、増産した工場での製造を中止することになりました」(同)