同協会は国内外の医療論文に学び、可能な限り裏付けのあるケアのできるエステティシャンの養成を目的に設立された。今後は外科治療前後のケアなどにも協力できないかと考えているという。

 南さんによれば、バストを構成する脂肪にも2種類あるという。

(週刊朝日2021年9月24日号より)
(週刊朝日2021年9月24日号より)

「ひとつは皮下にある、パフス(PAFS)と呼ばれる柔らかい脂肪で、神経や血管はあまり通っていません。冬になると冷たく感じられる、お尻や太ももの前面にも多い脂肪です。一方、大胸筋の筋膜のすぐ上にある、面状で繊維状の脂肪がラフス(LAFS)と呼ばれるもの。こちらには血管が通っており、代謝をアップさせることでバスト全体の代謝や循環にも良い影響があるのでは、と考えられています」

 女性は生理のたびに乳房への血流が増え、張りやすくなる。閉経によってそのサイクルが終わると、乳房内の代謝はどんどん落ちてしまう。

「そこで、閉経後は積極的に血液を送り出すケアが必要。それには胸だけでなく、体の奥から循環を促進する技術が必要です。自己流で乳房だけもみほぐしても、むしろ下垂を招くだけ。もし自宅でケアするなら、胸に続く血管がある鎖骨あたりを温めたり、大胸筋のストレッチで胸部全体の代謝を上げたりするなどがいいでしょう」

「美乳」を意識することは健康を意識すること、と言えそうだ。(ライター・浅野裕見子)

週刊朝日  2021年9月24日号より抜粋

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