映画「総理の夫」に政界のドン役で出演する俳優の岸部一徳さん。作家の林真理子さんもファンだというザ・タイガースの沢田研二さんついて語りました。
【「芝居の勉強はしないほうがいい」と言われ…岸部一徳の役へのアプローチとは?】より続く
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林:沢田研二さん、先日映画(「キネマの神様」山田洋次監督)で主演をなさいましたね。だから今回の話題の2作、偶然ですけど、どちらもザ・タイガースのメンバーの方がお出になって、どちらも原作が原田マハさんで。
岸部:林さんは、沢田さんのファンだったんですか。
林:もちろんステキ、と思ってはいましたけど、そんなに熱烈ではなかったんです。田舎の女の子ですから、みんなキャーキャー言って、同級生はファンレターやプレゼントを送ったりしていましたけど、私は「どんなに好きでも、一生会えない人に手紙を書いてもしょうがないかな」と思って、さめた目で見ていました。
岸部:でも、沢田さんと会ったことはあるんでしょう?
林:はい。沢田さんのマネジャーだった方のお嬢さんが……。
岸部:ああ、森本さんですね。
林:そうです。7、8年前、森本千絵さんという売れっ子アートディレクターの方の結婚式に呼ばれて行ったのですが、そのときたまたま同じテーブルに沢田さんがいらしたんです。前に1回、若いころ対談させていただいたんですけど、そんなことはもちろんお忘れでした(笑)。
岸部:アハハハ。
林:ひげをのばしていらして、すごくカッコよかったですよ。若さに執着しないで思うがままの姿が、めちゃくちゃカッコよかったです。
岸部:ああなったらああなったで“スター顔”ですよね。
林:そして最後に沢田さんが「勝手にしやがれ」をお歌いになって、みんなで歌って踊って、その披露宴は終わったんです。すごく楽しかったです。
岸部:へぇ~、そうですか。それは貴重な体験ですね。彼はそういう場で、なかなか歌わないんですけどね。