■ちょっとずつでいい

田中:でも僕、この業界を変えたいな、という気持ちもあります。ちょっとずつでいいと思うんですけど、いい作品を作るためにも労働環境を変えていくのはすごく大事じゃないですか。自分が60歳、70歳になったときにいろいろチャレンジできる人が増えているようにしたいです。

中谷:ぜひ、お願いします。

田中:とか言いつつ、ユーチューバーにもなりたいし、スウェット屋になることもあきらめてないし。僕、やりたいこといっぱいあるんです。

中谷:スウェット屋さんは、たくさんあるんじゃない?

田中:自分が着たいスウェットを作りたいんです(笑)。

中谷:そうなのね(笑)。でも、働き方改革と言いますけど、働く女性が幸せを享受するには、上に立つ方々が、早く仕事を切り上げて余暇をもっと大切にするとか、家族と時間を共に過ごすとか、そういうことをしてくださらないと難しいです。

田中:何年かかるかは分からないですが、いつかそんな時代が来ると思います。スキージャンプでも、昔は女性の種目はなかったけど、今は当たり前にある。リアル女性総理の夫も、そのうち誕生するだろうなあって。

中谷:「総理の夫」とタイトルを聞いたとき、最初、男性の総理大臣でパートナーも男性なのかなと思ったんです。残念ながら今はまだ、女性が総理大臣というのはイメージできなかったから。それも変わるかもしれませんね。

田中:この映画、僕はいろんな人に感情移入して、泣きながら見ましたが、いつかこんな日本になればいいなと思いました。観客の方にもそう思ってもらえたらうれしいです。

(編集部・大川恵実)

AERA 2021年10月4日号

暮らしとモノ班 for promotion
「更年期退職」が社会問題に。快適に過ごすためのフェムテックグッズ