清水弁護士によると、刑法の名誉毀損には「事実の摘示」、つまり、本当かどうかの検証が可能な具体的事実を示したかどうかが必ず必要になる。例えば誰かについて、「詐欺をしている」「犯罪者だ」などと書き込むことがそれに当たる。

 一方、民事上では「事実の摘示」に加え、「意見や論評」での名誉毀損も成立する。

「例えば、過去に犯罪を犯したという前提のもとに『死んだ方がいい』『逮捕されろ』などと書き込むケースが該当します。また、民事上では『名誉感情の侵害』という、社会通念上、許される限度を超える侮辱行為だと認められる場合も、名誉毀損と判断されます。『バカ』とひとこと言うくらいでは成立しませんが、『死ね死ね』などと繰り返し書き込むと、違法となる可能性が出てきます」(清水弁護士)

 どこまでが問題のない「意見や論評」に収まるかの判断は簡単ではなく、清水弁護士も「人格攻撃にまで及んでいるかが一つの基準になりますが、この言葉がアウト、というのは非常に難しい。個別のコメントごとに判断していくしかありません」と話したうえで、今回の書き込みについて、こう指摘する。

「『下手くそな悲劇のヒロインを演じ同情を買おうとする態度には辟易する』はひどいですね。眞子さまの名誉感情を侵害しており、民事裁判になれば名誉毀損が認められると思います。眞子さまの診断を『あり得ない』とする書き込みも、同様の可能性があります。また、小室さんに対する『裏口入学』のコメントは『事実の摘示』に該当するケースなので、刑法の名誉毀損が成立する可能性があります。『ヒモ男』も、小室さんは眞子さまに養ってもらったわけではないでしょうし、現在仕事をしようとしているのですから問題となるかもしれません」

結婚を中止しろ」などと繰り返し書いたとしても違法にはならないが、仮に有名人などに対し同様の書き込みを繰り返した結果、相手が自殺に追い込まれた場合は「結果の重大性を鑑みて、民事で損害賠償を認めることはあり得ます」(清水弁護士)という。

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