たとえば、上司に失敗を報告すると、「それ、いい話じゃん」と言われることがある。失敗に学びがあれば、チームで共有して知見を積み上げる。必要ならば、他国のメンバーにも失敗をプレゼンするのだ。
この共有文化にも注目したい。
「メールのCC機能は控えめにと考える組織もあると思います。ですが、グーグルは違います。次々にCCにプラスしていくのは日常茶飯事です」(同)
メールをやりとりしているうちに「CC」欄にどんどん人が増えた──そんな経験もあるだろう。あたかも“アリバイ”づくりのようにCCに追加することは、よくある話だ。
だがグーグルでは、こうだ。
「やり取りが増えてメールが長くなったときは、本文の冒頭に3行ほどの要約をつけたりします。一部の人で抱え込まないで、どんどんチームに展開していくほうがいい」(同)
同社のブレストでは、こんな鉄則がある。
「ノーやバットではなく、イエスやアンド」
たとえライトなアイデアや失敗でも「いいね、それ」。否定しないのがグーグルの流儀だ。(編集部・福井しほ)
※AERA 2021年10月11日号より抜粋