「グーグルグラス」は右目のレンズ上に小型ディスプレーを搭載(c)朝日新聞社
「グーグルグラス」は右目のレンズ上に小型ディスプレーを搭載(c)朝日新聞社

 たとえば、上司に失敗を報告すると、「それ、いい話じゃん」と言われることがある。失敗に学びがあれば、チームで共有して知見を積み上げる。必要ならば、他国のメンバーにも失敗をプレゼンするのだ。

 この共有文化にも注目したい。

「メールのCC機能は控えめにと考える組織もあると思います。ですが、グーグルは違います。次々にCCにプラスしていくのは日常茶飯事です」(同)

 メールをやりとりしているうちに「CC」欄にどんどん人が増えた──そんな経験もあるだろう。あたかも“アリバイ”づくりのようにCCに追加することは、よくある話だ。

来日した米グーグルCEOのスンダー・ピチャイ氏(右から3人目)と、その左に高市早苗総務大臣(当時)/2019年11月19日(写真/編集部・井上和典)
来日した米グーグルCEOのスンダー・ピチャイ氏(右から3人目)と、その左に高市早苗総務大臣(当時)/2019年11月19日(写真/編集部・井上和典)

 だがグーグルでは、こうだ。

「やり取りが増えてメールが長くなったときは、本文の冒頭に3行ほどの要約をつけたりします。一部の人で抱え込まないで、どんどんチームに展開していくほうがいい」(同)

 同社のブレストでは、こんな鉄則がある。

「ノーやバットではなく、イエスやアンド」

 たとえライトなアイデアや失敗でも「いいね、それ」。否定しないのがグーグルの流儀だ。(編集部・福井しほ)

※AERA 2021年10月11日号より抜粋

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