ヤクルトの中村悠平=球団提供
ヤクルトの中村悠平=球団提供
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 ヤクルト阪神が熾烈な優勝争いを繰り広げている。今月に入って共に5連勝。首位・ヤクルトに1ゲーム差で阪神がピタリと追走している。

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「ヤクルトの持ち味は何といっても強力打線。1番から塩見泰隆、青木宣親、山田哲人、村上宗隆、オスナ、中村悠平、サンタナ、西浦直亨とどこからでも得点が取れる。救援陣も高津監督がうまくやりくりしてロースコアの接戦で勝ちを拾えるようになってきている。阪神は打線が本来の状態ではないが、6日のDeNA戦でエース・西勇輝に約1カ月ぶりに白星がついたのが大きい。今季は本来の状態に程遠い投球が続いていましたが、リーグ優勝に不可欠な右腕です。秋山拓巳、青柳晃洋、高橋遥人、ガンケル、伊藤将司と先発陣は間違いなくリーグトップクラス。両球団の競り合いは最後までもつれるでしょう」(スポーツ紙デスク) 

 ヤクルトと阪神の一戦で大きな反響を呼んだのが「サイン盗み疑惑」だった。7月6日に神宮で行われた試合で、阪神が4点リードの5回2死一、二塁で「事件」は起きた。二塁走者・近本光司が膝に置いていた左手を横に真っすぐに伸ばして停止。膝の上に戻した後に左手を再度動かす行為を繰り返した。セ・パ両リーグのアグリーメントで、「ベンチ内、ベースコーチ、走者から打者あるいは塁上の走者に対して球種等の伝達は行わない」と規定がある。近本の一連の行為が打者の佐藤輝明に配球を教えるような伝達動作に見えたため、三塁の村上が審判にアピールした。すると、阪神のベンチからヤジが。ヤクルトベンチも首脳陣たちが怒りの表情で応酬した。さらに、敬語で異論を唱えた村上に対しても阪神ベンチから罵声が。一触即発の雰囲気となり試合は一時中断。ネット前で審判団を挟み、矢野監督と高津監督が激しい口調で互いの言い分を訴えた。

 あの試合から3カ月。真剣勝負で起こった騒動で互いにわだかまりはないと思われるが、負けたくない気持ちは強いだろう。ヤクルトが5連勝を飾った巨人戦。決勝打を放ち、投手陣を好リードで完封勝利に導いた中村は「阪神も勝っていますし、僕らも負ける気はないんで明日からもどんどん連勝を伸ばして、週末は阪神をここでやっつけましょう!」と力強く誓った。 

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