◆屋外にいても飲み物ならすぐ


 緑川さんはこうアドバイスする。


「塩分の濃い麺類などを食べるときに、ほうれん草などの野菜や、のりを食べるとか、カリウムの多いものを意識するといい。アボカドもカリウムが多い食材の一つ」


 カリウムは果物にも多く含まれている。早渕さんは、若い人が果物を十分に食べていないと指摘し、外食や中食では果汁100%のジュースを飲むことを勧める。200ミリリットルでカリウムが500ミリグラムくらいとれるという。牛乳も200ミリリットルでカリウムが300ミリグラムくらいあるほか、カルシウムなどもとることができる。「屋外にいても飲み物ならすぐとれます」(早渕さん)


 手軽な減塩法として、料理で味を調えるために塩や胡椒を加える代わりに、ごま油かレモン汁を少したらしてみることを緑川さんは勧める。油のとりすぎは注意が必要だが、ごま油だけでも「味がぐっと変わる」(緑川さん)。物足りなさがあるときに、調味料でなく、にんにくや、香りのあるしそなどを足してみるのもいいという。また、しょうゆの代わりに、ポン酢を使ってみるのもいいかもしれない。「同じ量で塩分は半分以下になる」(早渕さん)


 誰しも、おいしく食べたいものだが、「味わって体にいいものを食べるのが一番」(同)。例えば、おいしいお豆腐はしょうゆにつけず、そのまま食べてみると、大豆の風味など、素材の味を楽しめる。「ちょっと工夫して、食材を味わってみませんか」(同)


 とはいえ、外食や中食では、すでに味がついていて、個人が塩分を調整するのは難しい。「企業にも協力してもらい、社会全体で減塩の取り組みが必要」(三浦さん)


 消費者側の問題もあると早渕さんは指摘する。企業が減塩食品を手間暇かけて開発しても、消費者が買わなければ流通しなくなる。消費者が変われば、企業も変わる。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2021年10月15日号

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