※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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 乾癬という名前から、人にうつる病気のように思われがちですが、人にうつることはありません。乾癬の初期では爪に小さなくぼみ、へこみが見つかります。また爪に病変がある乾癬患者さんの多くは、関節炎を合併することがあるので注意が必要です。一般の人にとって、関節炎と皮膚病はなかなか結びつかないものなので、病院では関係ないと思って話をしない患者さんもいます。結果、診断や治療の遅れにつながることが多いです。爪に起きるくぼみやへこみと関節痛に注意してみましょう。

 爪の根元に湿疹が続くと爪が変形します。これは爪を作る工場である爪母がダメージを受けて、不良品の爪しか作らなくなるためです。手湿疹が指先に頻繁に起きる人は爪に波のような変形が起きることが多くあります。

 扁平苔癬(へんぺいたいせん)という病気では爪の変形だけでなく、口の中の粘膜に白いレース状の病変ができることもあります。扁平苔癬は薬の影響で起きることもありますし、C型肝炎が見つかることもあります。

 爪に黒色の線がある場合、爪母のほくろか悪性黒色腫(ほくろのがんと呼ばれるもの)の可能性があります。爪の黒色線状は専門家にきちんと診てもらいましょう。

 最後に、爪の根元の白っぽい部分に関してです。この部分を爪半月(そうはんげつ)と呼びます。爪半月の大きさによって健康か不健康か判断する方法が巷で知られていますが、これはあまり関係ありません。爪半月の部分から指先にかけて、ぼやけるような形で白くなっている場合には病気と関係しています。この爪の現象は透析患者さんでよく見られます。

 そのほか、飲み薬の影響で爪が黄色くなったり、マニキュアの影響で爪の先が剥離することもあります。爪のかみ癖がある人は爪が短くなることもあります。そういう人のために、苦味成分「安息香酸デナトニウム」を含むマニキュアが売られていますので、爪かみ癖がある人はぜひ試してみてください。

 今回は爪に現れる症状についてまとめてみました。爪をみるだけで体に隠れている病気がわかることもあります。爪に異常を感じたら皮膚科医に相談してみましょう。

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