だが、好投していても勝負所で痛打を浴びるなどなかなか白星が伸びない。先発での成績は17試合登板で4勝8敗、防御率4.11。奥川恭伸、高橋奎二ら若手の台頭もあり、ファーム暮らしも経験して9月上旬から救援に配置転換される。左腕が不足している中でチャンスを与えられ、輝きを取り戻した。救援での成績は10試合登板で1勝0敗3ホールド、防御率2.35。今月8日の天王山・阪神3連戦では3連投していずれも無失点に抑えた。10日は同点の6回1死一、二塁のピンチで糸井嘉男、島田海吏をスライダーで空振り三振に仕留めて雄叫び。お立ち台でリリーフ陣の雰囲気を聞かれると、「僕のおかげで、いい雰囲気を保っています!」とスタンドの爆笑を誘い、「僕がブルペンに入った時にいつもチョリーッス!と挨拶しながら入っているんで、それでちょっとみんな笑顔になってくれてます」と笑みを浮かべた。

 本拠地・神宮球場で勝利後に、田口が一塁スタンド前で観客を盛り上げるパフォーマンスが恒例行事になった。SNS、ネット上では「田口はヤクルトに溶け込もうとする姿勢が凄く見える。来てくれて本当に感謝している」、「巨人ファンだけど、田口は巨人を出て良かったんじゃないかな。ヤクルトの水が合うのか伸び伸びやっている。巨人だとあんなパフォーマンスもできないしね。廣岡も今後が楽しみな選手だし、こういうトレードはもっと活発にやった方がいい」などのコメントが。

「田口は長年先発ローテーションで活躍している同じ左腕の石川雅規という良きお手本がいます。抜群の制球力もそうですが、練習への取り組み方など野球に向き合う姿勢で勉強できる点がたくさんある。まだ26歳と若いし全盛期はこれから。来年以降は左のエースになってほしいですね」(テレビ関係者)

 シーズンは残り14試合。リーグ優勝に向け、田口は左腕を振り続ける。(牧忠則)

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