
しかも今までエイジに協力してきた大学教授・白菱(佐野史郎)は、京花の実父。かつては妻の言いなりで京花を虐待していたが、妻亡き今は娘の言いなりだ。
京花が喫茶店の床に落とした苺を「口で拾え」と言えば従い、「もういいよ、さよなら」と見限れば「ごめんなさいママァ! 命令してぇ。さよならなんて言わないでママァ」と身もだえる。
なんと正しい佐野史郎の使い方。脳内で「冬彦さん」がアハハウフフとスキップしてる。こんないいタマ隠し持ってて、なんでダラダラ拷問とかしてたの。もっと早く出してちょうだい。
改めて配役を見渡せば、エイジの義父に遠藤憲一、警察関係には高嶋政宏と「真犯人フラグ」のクレイジー主婦を演じた桜井ユキ。まだまだ満遍なくサイコパス化可能な役者がそろっていて、ますます「どうかしてるぜ」祭りになりそうな予感。
「警視庁考察一課」(秋元康企画・原作)で、高島礼子が「サイコパスに逃げるの禁止!」て言ってたけど、いいんです! 秋元康にだけは、それ言われたくないし。
カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など
※週刊朝日 2022年11月25日号